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LVMH、理工科学校に隣接の研究拠点開設を断念

高級ブランド大手LVMHは23日、研究都市パリ・サクレー内に研究拠点を開設する計画を断念したと発表した。確保していた用地の取得を断念するとした。研究拠点は別の場所に開設すると説明したが、詳細については明らかにしなかった。
計画では、研究都市内の理工科学校(ポリテクニク)に隣接する用地に、1億ユーロ強を投資して研究拠点を開設することになっていた。理工科学校との共同研究を通じて、持続可能な材料、人工知能(AI)、データ科学、生命科学などの分野で研究プロジェクトを推進し、300人程度の研究者を採用する計画だった。ただ、理工科学校の教員や学生らは、研究の計画に真剣味が欠けるとし、営利的な不動産開発計画に過ぎないとみて反発し、去る12月以降に2件の訴訟を起こしていた。
ちょうど1年ほど前にも、石油大手トタルエネルジーとの産学協働プロジェクトが、学生らの反対運動により断念されたばかりで、理工科学校のラベ校長にとっては黒星が続いた格好になった。校長はコンサル大手のマッキンゼーの出身で、マクロン大統領にも近く、2018年に校長に起用されていた。6月に任期切れを迎え、再任を目指しているが、続投は自明ではなくなった。

KSM News and Research