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11日(土)の年金反対運動、鉄道ストは回避に

国鉄SNCFの各労組は、11日(土)に予定されている年金改革への抗議行動について、鉄道ストライキは行わない方針を固めた。同日のデモ行進に参加する職員の便宜を図り、ストの予告は維持するが、実際にストは行わないという。前日の10日は、一部地域における学校休暇前の最終日に当たり、11日には帰省客等で混雑が予想されることから、それに配慮してストを断念した。また、ストを行うと、そのためにデモ行進に参加できない人が出る恐れがあるが、デモ行進の動員数を稼ぐことで政府への圧力を行使することを優先し、ストは見送りとした。
7日(火)は予定通りに交通ストが行われるが、前回ストと比べて勢いが持続されるのかどうかが注目点となる。翌8日には、CGTとSUD-Railの2労組のみがスト継続の予告を出しており、8日のストの規模がどの程度になるかも、抗議行動の今後を占う上で注目される。
その一方で、政府は、一定の譲歩を土産に、保守野党の共和党の協力を取り付けることで、年金改革法案の議会での採択を目指しているが、共和党の内部では、協力の是非を巡り足並みが揃っていない。プラディエ副党首は、ボルヌ首相が示した譲歩(21才未満で就業を開始した人に定年年齢より1年早い退職を認める)について、共和党にとっても国民にとっても欺瞞に過ぎないと批判。多数派擁立の道がまだ険しいことをうかがわせている。

KSM News and Research