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農業見本市が開幕:マクロン大統領は初日に訪問

毎年恒例のイベント「農業見本市」がパリ市内のポルトドベルサイユ見本市会場で25日に開幕した。マクロン大統領が開会式に立ち合い、そのままほぼ一日中、見学を続けた。
農業見本市は政治家らが競って訪問する重要イベントだが、コロナウイルス危機の発生以来、2021年には中止になり、2022年には制限下での開催となった。今年は制限なしの本格的な開催に戻り、マクロン大統領も長時間にわたり訪問した。年金改革を巡る反対運動や、物価高騰に伴う懸念などもあり、大統領が反対派にブーイングを受けたり、詰め寄られたりする場面もあったが、大統領はこの機会に、自らの立場を擁護するべく努めた。
大統領はまず、食品価格がこの3月に高騰する懸念がささやかれていることについて、費用増の中で農産品が一定の価格で販売され、農民が収入を確保できるようにすることが必要だとしつつ、努力すべきは小売業者であるとの考えを示した。少雨が続いて水不足が懸念されていることについては、エネルギー節約と同様に水資源の節約に上流から努める必要があると言明した。漁民に対しては、燃料価格の抑制措置を10月まで継続すると約束。メルコスル(南米南部共同市場)との自由貿易協定については、環境上及び衛生上の制約という点で、南米諸国が欧州諸国と同等の水準を守らない限り、現状での協定の批准はありえないと言明した。農民の側からは、このところ農薬使用の制約が厳しくなっており、このままでは農業が立ち行かなくなるとする不満の声が聞かれた。

KSM News and Research