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HHC、近く禁止か

HHC(ヘキサヒドロカンナビノール)と呼ばれる合成化合物が市販され、問題視されている。大麻の麻薬成分THC(テトラヒドロカンビノール)と似た薬物効果があり、普及が進むことが懸念されている。
HHCを含む製品は、精油、グミ、電子たばこ型の吸引剤、乾燥花などの形で、昨年夏ごろから、合法CBD(カンナビジオール)製品の販売店の一部で売られるようになった。HHCの発明は1940年代に遡るが、出回るようになったのが最近であるため、製品の物性等の特定が遅れており、フランスでは法的に規制されないまま今日に至っている。麻薬効果が高いことから「合法ドラッグ」のように受け取られて人気が高まっており、一部のCBD販売店では、HHCが売上高の半分以上を占めているという。
欧州では、2022年5月にデンマーク税関が押収した貨物中に発見されたのが最初で、米国、オランダ、スペインからの貨物に多いという。専門家によると、大麻系の麻薬物質の既存の規制の枠組み内で禁止は可能だが、物性の特定が十分になされておらず、既存規制のどのあたりに落とし込むのかが定まっていないだけであるのだという。欧州諸国では、オーストリア、フィランド、ポーランド、スイスが、新規物質としてHHCを禁止対象に指定。フランス当局は、禁止対象とするための鑑定作業を継続中と説明しており、対応が遅れたということはなく、6月にも鑑定結果が出揃う見通しとしている。ただ、新たな誘導体も続々と出現しており、それぞれについて、イタチごっごが続く可能性もある。

KSM News and Research