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大統領公約の「月額100ユーロでのEVリース」、リーシング企業に委託へ

マクロン仏大統領は2022年の大統領選挙の公約の1つとして、低所得世帯向けに月額100ユーロでのEVリースサービスを提供することを掲げ、ボルヌ首相はこれを2023年の秋に導入することを予告しているが、レゼコー紙によると、政府はその具体的な手段として、入札で選定した大手のリーシング企業に事業を委託し、リーシング企業が自動車メーカーと交渉の上でEVを購入し、それを低所得世帯向けに提供するという形を考えている。
一部では公営の事業体を立ち上げることを提案する声もあったが、政府はすでにノウハウを備えた民間のリーシング企業に委託することを選択し、近く関係企業を集めた会合を開く予定。
ただし、月額100ユーロという料金でのリースは、EV価格の上昇や金利の上昇を考慮すると採算を確保することが難しいと懸念されている。すでにEVの購入には7000ユーロの補助金が支給されているものの、これだけでは不十分で、国が何らかの追加的な補助金を提供する必要があると考えられる。
政府の計画では使用されるEVが欧州製に限定されるが、これもコスト増を招く。現状で、このレベルの料金でのリースの対象となっているのは、仏ルノー傘下の低価格車ブランド「ダチア」が販売している小型EV「ダチア・スプリング」だけだが(月額120ユーロ)、同車も生産は中国で行われているために、政府の基準には合致しない。また、ルノーの小型EV「ゾエ」の中古車なら月額120-130ユーロでのリースが行われているものの、在庫が不十分だという欠点がある。ただし、秋にはルノーやシトロエンが低価格の小型EVの新型車を発売するため、何らかの解決策が見出される可能性がある。メーカー側では、一定以上の受注規模が保証されることを協力に応じる条件としている。

KSM News and Research