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マクロン大統領、モンゴルを公式訪問

マクロン大統領は5月21日、モンゴルを公式訪問した。フランスの大統領がモンゴルを公式訪問するのはこれが初めて。
マクロン大統領は、G7広島サミットの帰路に立ち寄る形でモンゴルを訪問した。大統領周辺はこの公式訪問を、「戦略地理的」な訪問と形容しており、中国とロシアに挟まれ、両国の影響が大きいモンゴルとの協力関係の強化を目的に訪問を決めたとみられる。
モンゴルは中国産の石炭への依存が大きいが、新型コロナウイルス危機時には国境封鎖で大きな打撃を受けた。モンゴルはまた電力の半分以上をロシアに依存している。モンゴル政府はこうした依存を軽減することを望んでおり、フランスは、再生可能エネルギーの展開に協力するなどして、モンゴルとの関係を強化する余地があるとみている。
フランス側は、レアアースを含むモンゴルの地下資源にも注目している。仏オラノ(核燃料)はモンゴル国営モンアトムとの協業で、モンゴル国内のゴビ砂漠地方でウラン採掘を計画しており、オラノはモンゴルにおけるフランス最大の投資者となっているが、マクロン大統領とフレルスフ大統領は共同声明の中で、このプロジェクトの実施を加速する方針を確認した。現在は許認可取得の手続きが進められている。
フレルスフ大統領はマクロン大統領を国賓待遇で迎え、大統領府での会談後に国立美術館を揃って見学、次いで晩餐会が開催された。同美術館は、10月に仏ナント歴史博物館で開かれるモンゴル展に所蔵品の一部を貸与することになっており、マクロン大統領は、その機会にあわせてフランスを訪問するようフレルスフ大統領を招待した。

KSM News and Research