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大統領府に地熱利用のヒートポンプ、工事が開始に

大統領府で地熱利用のヒートポンプ設備の建設工事が始まった。9月中に掘削工事を終えて、2024年春からの稼働を目指す。
大統領府の建物は、18世紀にポンパドゥール夫人のために建てられたもので、風格はあるが古い建物の常としてエネルギー効率は極めて悪い。冷暖房の費用は大きく、二酸化炭素排出量の点でも模範的とは言えなかった。ヒートポンプの設置により汚名返上を図る。
工事では、敷地内に65メートルの井戸を2本掘り、3層下の帯水層より水をくみ上げる。1年中を通じて15度と温度が安定した水を用いてヒートポンプを稼働し、季節により熱と冷気を生産する。1時間に45立方メートルの水をくみ上げるが、水はもう一方の井戸を通じて帯水層にすべて戻す。設置費用は掘削だけで70万ユーロ、施設をすべて含めて500万ユーロに上るが、導入により、暖房需要の6割をヒートポンプにより賄うことが可能になり、エネルギー費用は半分以下に削減できる。二酸化炭素排出量は8割減を達成できるという。

KSM News and Research