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カルナックの巨石群、店舗建設のため破壊で物議

ブルターニュ地方カルナック市の巨石群の一部が店舗建設のために破壊されたことが報じられ、物議を醸している。地元の郷土史家が2日にSNS上でこの件を糾弾したのがきっかけで騒ぎが大きくなった。
問題の土地は、以前から廃棄物の投棄がよく行われていた場所で、ホームセンター「Mr Bricolage」のフランチャイジーが2022年8月にカルナック市より建築許可を取得していた。この場所には、39体の小型の石が列をなして設置されていたというが、それでも建築許可が発行された。これについて、極右を含む様々な勢力が、文化遺産の破壊だとして一斉に批判を展開している。
カルナックは、メンヒルと呼ばれる大きな石を一列に並べた「列石」で特に有名で、年代決定は困難だが、新石器時代に遡ると考えられている。今回の事件の現場近くで2010年に行われた炭素14による年代決定は、約7000年前のものとする結果を示しており、専門家の中には、小型の列石は年代がより古い可能性があるとして、破壊に至ったことを問題視する声もある。この建設計画は2014年12月に遡り、その時は遺跡問題とは別の理由で許可申請は却下となっていた。その際に、文化遺産を担当する出先機関は、予備調査により2組の列石のうち一方は過去に移動を経てここに置かれた可能性が高いと判断、もう一方について発掘調査を行う予定だったが、許可申請が却下となったために立ち消えとなっていた。新たな申請においては、発掘調査が行われないままに許可が付与された。出先機関の側では、価値ある遺跡であることは立証されていないとコメントしている。

KSM News and Research