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大統領の任期制限撤廃論が浮上、物議に

大統領の任期制限撤廃論が浮上、物議に大統領の任期制限が論争の対象となっている。マクロン大統領に近いフェラン元下院議長の発言が発端になった。
フェラン元下院議長はインタビューの機会に、個人的な見解として、国民が自由に主権を行使することを制限するのには反対だと述べて、大統領の任期制限があるのは望ましくないとし、その改正を呼びかけた。大統領の任期制限は、サルコジ右派政権下で2008年に追加されたもので、憲法第6条に「連続2期を超える就任を禁じる」旨が明文化されている。フェラン氏のこの発言は、2期目を迎えて次の再出馬ができないマクロン大統領が再選の意欲を人づてに示したものと受け取られて、野党勢力による攻撃対象となった。「最後に任期制限を撤廃したのは、中国の習国家主席とロシアのプーチン大統領の2人だ。これがマクロン大統領の民主主義というものなのか」(共和党のウペール上院議員)などの批判のコメントが出されている。
マクロン大統領はこれまでに、大統領任期を5年から7年に戻し、中間選挙(総選挙)で国民の信を問う形にする可能性に言及したことがある。大統領任期の短縮は、シラク大統領(故人)が、再選を狙う2002年の大統領選に向けて決定したもので、シラク大統領はこの時、極右候補との初対決というハプニングが追い風になったこともあるが、実際に再選を果たしている。フェラン氏は批判を受けて、次の選挙に向けて制度を改正せよという呼びかけではなく、一般論として個人的な意見を表明しただけだと釈明している。

KSM News and Research