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ボルドーでぶどう畑減反、生産過剰対策で

ボルドーでぶどう畑の減反がこの秋に開始される。供給過剰を背景に業者は前例のない危機に直面している。
ジロンド県の農業会議所が行ったアンケートによると、1371の製造業者が経済的な困難に直面していると回答。これはぶどう畑の面積にして3万5000ヘクタールに相当する。ドルドーニュ川とガロンヌ川に挟まれた「ラントルドゥーメール」や「コート」と呼ばれる地区、メドック(ジロンド川下流の左岸地区)の一部で困難が特に目立ち、不況知らずの高級ワインは除いて、ランクが低めのぶどう畑が厳しい状況に置かれている。国内では量販店では1本6ユーロ前後という価格帯のワインが売れ行き不振で、2022年には前年比で8%減を記録。10年間では44%減を記録しており、背景には、消費者のワイン離れという構造的な要因がある。ワインの販売後退は2018年以来、赤で特に目立つが、ボルドーの場合は85%が赤という構成であることが禍している。ボルドー・ワインが頼みにしていた中国市場は新型コロナウイルス危機の影響が特に大きく、需要が一気に冷え込み、抱えきれないほど在庫が増えた。これが価格を押し下げる要因になっている。現状では、販売実績は年間370万-380万ヘクトリットルとなり、生産量はこれをはるかに上回っている。余剰生産は80万ヘクトリットルから100万ヘクトリットルに上るとみられている。
減反支援では、国が3800万ユーロの助成金を約束。業界団体や地元も含めて総額で5700万ユーロの予算が確保された。9500ヘクタールを対象に、1ヘクタールにつき6000ユーロの助成金が支給されるが、国の拠出分については、支給に当たり20年間の休耕地化又は30年間の森林化という厳しい条件がついており、業者の間には、助成金額が低めであることもあり、不満の声がある。

KSM News and Research