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ボッシュ、仏ロデーズ工場の水素燃料電池生産プロジェクトを停止

ドイツの自動車部品大手ボッシュが、仏ロデーズ市(アベイロン県)近郊の工場で予定していた多角化事業を停止した。労組と地元は工場閉鎖に至る懸念を強めている。
この工場はディーゼルエンジンの関連部品を製造している。ボッシュは、2028年までの工場の存続を保障した上で、長期的な展望を確保するため、工場の事業多角化を進めると予告。具体的には、冷凍トレーラー向けの水素燃料電池の生産を同工場で行う計画「FresH2」を提示し、2025年時点で130人、2028年時点で230人の従業員をこの事業に振り向ける計画だった。この約束を条件に、労使は2021年12月に合意を結び、労組側は従業員数の750人削減(513人の雇用を維持)を受け入れていた。
しかし、経営側は21日の時点で、計画の対象となる製品の需要の立ち上がりが遅れていることを理由に、計画を撤回した。経営側は、水素関連のソリューションの需要の将来性は確かだとして、年内に代替のプロジェクトを特定すると説明している。
ボッシュは、仏モンドビル工場(カルバドス県)を2028年に閉鎖する方針を明らかにしたばかりで、労組と地元はロデーズ工場も同じ運命をたどるのではないかと懸念を強めている。ボッシュの側では、両工場は状況がまったく異なると強調している。

KSM News and Research