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サノフィ、mRNAワクチン技術で巻き返し図る

仏製薬大手サノフィは29日に投資家向け説明会を開き、ワクチン事業に関する発表を行った。新型コロナウイルスワクチン開発で出遅れたmRNAワクチンを中心にテコ入れを図る展望を示した。
サノフィはこの機会に、2025年までに、革新的なワクチン5種以上の臨床試験III相を開始するとの目標を設定。次世代mRNAワクチン技術をベースに開発を加速すると説明した。サノフィは、2022年に70億ユーロの売上高をワクチン関連で達成した(全体の売上高は430億ユーロ)が、2030年にはこれを100億ユーロ超に引き上げるとの目標を設定した。
肺炎レンサ球菌感染症の小児用予防ワクチンの開発では、世界最多の21変種に対応というワクチンの開発が臨床試験第II相をクリアした。2024年に第III相が開始される。アストラゼネカと共同開発の新生児の気管支炎予防ワクチン「Beyfortus」はフランス政府との薬価交渉が続いており、今冬に発売される見通し。RSウイルス感染症予防ワクチン(5才まで)の開発では、吸入型ワクチンが第II相治験で良好な結果を得た。高齢者向けのRSウイルスワクチンも第II相治験が終了した。サノフィは、複数の気管支疾患に対応するワクチンをmRNA技術により開発する計画で、その第I-II相治験を近く開始する。2024年にも第III相治験に進めることを目指す。
なお、サノフィの株価は29日終値で1.07%の低下を記録した。

KSM News and Research