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フランス軍による戦車ルクレールの改修、時代遅れのリスクも

フランス軍保有の戦車ルクレールの改修が進められている。2015年に開始され、段階的に200台が2029年までに改修される。
ルクレールは1993年に配備が始まった。本格的な改修を経て、就役期間の延長を図る。改修は、独仏の2社が合併して発足したKNDS社が請け負い、「ルクレールXLR」として近代化された改修モデル2台がこれまでに引き渡された。
改修では、主にアフガニスタンでの戦闘の経験を踏まえた改良がなされる。軍事通信システム「Scorpion」の配備により、ドローンなどとも連携した作戦行動が展開できるようになる。対地雷や、ロケット弾による側面の攻撃への耐性を強めるための装甲強化も行われる。遠隔操作の爆弾の起爆を阻止する電波かく乱システム「Barage」(タレス社製)も配備される。半面、装甲の強化などで重量が増大し、砲弾の搭載量を減らすことが必要になった。また、ウクライナにおける戦闘でドローンによる攻撃に備える重要性が認識されるに至ったものの、今回の改修はそれ以前に設計が決まったこともあって、ドローンへの対応(上部からの攻撃への対応が弱い、搭載されている機銃は空に向かっては発射できない)が弱いことも問題視されている。
独仏共同の後継戦車の開発計画が進められているものの、その実現は2035年以降になる。それまではルクレールXLRが頼みの綱となる。

KSM News and Research