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車両乗り入れ制限地区ZFE、政府が設定義務の緩和に応じる

市街地に車両乗り入れ制限地区ZFEを設定する義務について、政府が依頼した報告書が10日に提出された。義務の緩和を進言する内容となった。政府は、乗り入れ制限強化を続ける義務を、大気汚染水準が基準を超えている都市圏に限定して適用することをひとまず決定。報告書の提言を検討することを約束した。
報告書は、トゥールーズ市のムーダン市長をまとめ役として、各方面との協議を経た上でまとめられた。報告書は、乗り入れ制限について、クリーンカーを購入する余裕がない低所得層にとって打撃となり、不公平を助長する恐れがあるとし、制限強化に伴い格差是正のための支援措置を講じるよう求めている。
ZFEは、人口15万人超の43ヵ所の都市圏において、2025年までに設定することが義務付けられている。これまででは11都市圏が導入を終えている。車両の乗り入れ制限は、「Crit’Air」と呼ばれる車両の汚染度分類(汚染度が最小のものを「Crit’Air1」として6段階に分類)に基づいてなされるが、大都市では、「Crit’Air 3」までを制限の対象に広げる段階に差し掛かっており、一部では反対運動なども生じている。政府は、大気汚染水準が基準を超えている5都市圏(パリ、リヨン、マルセイユ、ストラスブール、ルーアン)でのみ厳格化の日程を維持し、その他の都市圏では各自の判断に委ねることを認めた。

KSM News and Research