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世帯の1割強にトコジラミ被害

仏ANSES(食品環境労働衛生安全庁)は19日、トコジラミ(南京虫)の被害に関する鑑定報告書を公表した。
トコジラミの被害は、2017年から2022年にかけて、フランスの世帯の11%で発生したと推定されている。トコジラミの被害拡大は世界的な現象で、旅行する機会が増えたことが伝播の一因となっている。薬剤耐性を強めたトコジラミの出現で駆除が難しくなったことも影響している。中古品ブームや民泊の拡大も伝播に一役買っていると考えられる。
被害は家計の所得水準に関係なく生じており、清潔さなどとは関係がないが、所得水準が低いほど、有効な駆除の対策を講じにくく、心身両面で被害が大きくなるという問題点がある。駆除には1世帯平均で866ユーロの費用がかかるといい、ANSESでは、低所得世帯向けに援助を行う必要性を指摘。また、被害発生の場合の当局への申告を義務付けて、伝播を食い止めるための有効な対策を講じることも勧告した。ANSESによると、2017年以来でトコジラミの被害額は年間2億3000万ユーロを超えている。医療面での費用は、精神的なケアが7900万ユーロ、身体的な治療が300万ユーロ、傷病手当金が100万ユーロに上る。駆除の方法としては、高温スチームクリーナー(部屋、寝具)と冷凍(衣服)が有効であるという。

KSM News and Research