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父親の育児休暇、利用が拡大

父親のための育児休暇制度の利用率が少しずつ上昇している。保健省の統計部であるDREESの最新統計によると、育児休暇取得資格のある父親のうち、休暇を取得したのは2013年には68%だったが、2021年には71%まで上昇した(母親の育児休暇利用率は93%)。父親の育児休暇制度はフランスでは2002年に導入され、当初は日数11日までの休暇だったが、2021年には25日間に延長された。また、育児休暇とは別に、子どもの出生時に3日間の特別休暇を取得できる。
しかし、仕事や雇用のタイプによって取得率にはバラツキがあり、自営業では46%、非正規雇用では51%であるのに対して、民間の正規雇用の従業員は82%、公務員・公共部門の正規雇用職員では91%に達している。ただ、自営業においても2013年の32%と比べて取得率は増加傾向にある。年齢別では、年齢が高く、仕事で責任ある地位を持つ父親では育児休暇の取得が少ない。また、母親が専業主婦であるか、失業者である場合にも、父親の育児休暇取得率は大きく低下する。
父親の育児休暇取得は子どもの出生から6ヵ月以内に取得できるが、出生から1週間以内に休暇に入る父親の割合が、2013年の49%に対して、2021年には72%まで上昇した。DREESでは、「新生児のそばで父親が時間を過ごせることが神聖視されるようになったことを示しており、大きな変化である」と分析している。さらに、育児休暇を取得した父親の5人にほぼ2人が、RTT(時短に伴う追加有休)、無償休暇、労働協約の枠内で導入されているその他の休暇を組み合わせて取得している。こうした他の休暇の取得の有無も、育児休暇と同様に、父親の職場における地位により大きく左右される。のみならず、家事の平等な分担について高い意識を持つ父親ほど、休暇を多く取得する傾向がある。

KSM News and Research