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仏国民の14%が「欠乏」状態に

20日発表のINSEE調査によると、「物質的・社会的な欠乏」状態にある人は2022年初頭時点で900万人に上った。これは全国民の14%に相当する。2013年にこの調査が開始されて以来で最高の水準に達した。
「物質的・社会的な欠乏」状態とは、日常生活における13の基準のうち5つ以上を満たしていない状態のことを指す。13の基準とは、「1000ユーロの予期せぬ出費に対応できる」、「壊れた家具を買い換えられる」、「1年間に1週間の旅行ができる」、「定期的に有料のレジャー活動ができる」、「自由に少額の支出ができる」、「住居の暖房を十分にできる」、「新品の衣類を購入できる」、「家賃、ローン、公共料金等を即時に払える」、「2日に1回、肉、魚又は植物性の同等物を食べられる」、「定期的に友人や家族と会食等ができる」、「靴を2組持っている」、「自動車を購入できる」、「自宅でインターネットが利用できる」で、これらの基準のうちの5つ以上を金銭的な理由により満たせない人が「欠乏状態」に分類される。足元でこうした人が増えた最大の要因がエネルギー価格の高騰で、住居の暖房が金銭的により十分に確保できない人は全体の10.2%となり、前年比で4.1ポイントの上昇を記録した。脆弱な家計は暖房用燃料に重油を使用していることが多く、その値上がりが特に響いていると考えられる。8月1日付では電力規制料金が10%引き上げられることになっており、状況はさらに悪化する可能性がある。このほか、26.4%の家計が「家具の買い替えができない」と回答した(4.3ポイント上昇)。地域別では、農山漁村地方で欠乏者が占める割合が1.8ポイント上昇の11.2%に達した。地方では重油暖房が多く、自動車への依存も大きいことから、燃料価格の上昇が打撃になったと考えられる。ただし、欠乏者が占める割合は都市部(人口密度により15.4-15.6%)の方が高い。

KSM News and Research