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7月の観光業、南仏では期待外れ

書入れ時の観光業で、南仏でこの7月の業況は振るわなかったとする証言が聞かれる。UMIH(宿泊・外食業界団体)によると、7月初めにランド県(南西地方)とコートダジュール(地中海岸)の一部では、海浜のリゾート地で予約が20-25%減を記録した。近年では、9月に休暇旅行に出る人が増え、逆に7月には減るという傾向がうかがわれるといい、例えばパリでは住民がいなくなるのが7月20日以降とかなり遅くなっている。そのため、リゾート地の出足が遅れている可能性があり、これには、国内旅行を優先していた人々が外国旅行に向かうようになったという事情も重なる。ただ、「週末に人出は多いが、消費額が小さくなっている」(南西地方ヌーベルアキテーヌ地域圏のUMIH代表)という証言もあり、インフレ亢進を背景に、全体に出費に気をつける人が増えて、観光業の収入がそれだけ少なくなっているらしい。キャンプ場の業界団体によると、単価が高いトレーラーハウスは需要が減り、逆に、安上がりなテントを張る用地の需要が増えているという。
南仏は客足が減っており、例えばプロバンス・アルプ・コートダジュール地域圏の宿泊施設の客室稼働率は78%と、前年シーズンの80%から後退。北半分の海浜のリゾート地では逆に客足が増えている。直前に予約を入れる人を中心に、猛暑を敬遠して行く先を切り替える動きが出た可能性がある。ただし、7月下旬に北西地方は秋並みの気温と雨模様の天気が続いており、せっかくの人気がまた下火になる可能性もある。
外国人観光客はかなり戻ってきており、スペイン人は前年比で11.4%増(空路での旅行者のみ集計)、カナダ人は20.6%増、米国人も5.9%増を記録した。パリでは、日本人や中国人の姿が徐々に戻りつつある。

KSM News and Research