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アルティス、ペレイラ重役の逮捕を経て乱気流に突入

8月の7日と8日に行われるアルティス・フランスとアルティス・インターナショナルの業績発表にあわせて開かれる電話カンファレンスの機会に、創業者のパトリック・ドライ氏が自ら投資家向けに状況を説明する。ポルトガル人のアルマンド・ペレイラ重役が逮捕された件で自ら異例の報告を行い、投資家の信頼感維持に努める。
アルティス・フランスはSFR(通信)とBFM TV(メディア)を傘下に収めている。アルティス・インターナショナルはポルトガル事業を主力とする会社。逮捕されたペレイラ氏はドライ氏の友人であり片腕として、ポルトガル事業とフランス事業の両方で強い権限を行使していた。ポルトガルの捜査当局は7月13日にペレイラ氏を含む3人を、汚職、脱税、資金洗浄など11の容疑で逮捕。24日に保釈し、身柄を監視下に置いている。ペレイラ氏は主に、契約先の納入業者等に水増し請求をさせて、その利益を自ら吸い上げていた疑いをもたれており、契約先の業者と表向きは直接の関係はないものの、実質的につながりがある会社を契約先として選ばせていた疑いがある。アルティス・フランスの社内には、ペレイラ氏の行状をドライ氏が知らなかったとは考えにくいという声もあるが、ドライ氏に近い筋は、一切の関与を否定している。
ドライ氏はデットファイナンスで世界的に展開する一大帝国を築き上げた。アルティスの債務は240億ユーロに上り、2027年から2029年にかけてはうち206億ユーロの償還期限が来ることになっており、返済とリファイナンスを迫られる。投資家の信頼を失うとほころびが拡大するリスクをはらんでいる。

KSM News and Research