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ジャガイモの品薄と値上がり目立つ

足元でジャガイモの品薄と価格の高騰が目立っている。公的機関フランスアグリメールの集計によると、国産品の小売価格は7月に、5kg売りで1kg当たり1.30ユーロにまで上昇。これは、年頭と比較すると42.8%の大幅な値上がりに相当する。ジャガイモは2022年に12%減という大幅な不作を記録。業界団体UNPTによると、これはほぼ20年ぶりの凶作であり、今年の収穫も種蒔が遅くなることから、品薄が当面は続くものと予想される。生産の6割強が集中する北仏オードフランス地域圏でこのところ多雨が続いていたため、種蒔の時期が遅れるのだという。ジャガイモの場合、低温で保存して一年中出荷を続けるが、エネルギー価格の高騰に伴い保存のコストは上昇しており、これも価格上昇を招く要因になっている。また、冷凍ポテトやチップスなど加工品向けの需要も多く、小売に回るジャガイモが減っているという事情もある。現在、収穫の43%が食品加工向けとなっており、外見等に関する要求度が低いことから、生産者として加工向け需要は好都合であるのだという。
その一方で、季節の果物・野菜の小売価格は大幅に低下している。アプリコットは7月に前年同月比で11%の大幅低下を記録。トマトも25%の値下がりを記録した。フランスの北半分では冷夏のため、夏野菜や果物の消費が目立って減っており、これが価格にも影響しているという。

KSM News and Research