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金利上昇で住宅購入が冷え込み

金利上昇局面の中で、住宅購入が冷え込んでいる。与信を得られない家計が増えた。
フランス中銀が4日に発表した統計によると、住宅ローンの新規与信額は7月に120億ユーロとなり、前年同月比で45%の大幅減を記録した。2014年以来で最低の水準に下がった。
2年足らず前までは、住宅ローン金利は1%をわずかに上回る程度だったが、現在では償還期間20年で4%を超える状況となっている。25年ローンで月額2000ユーロを返済するという条件だと、2022年9月には53万ユーロを借りられたが、現在は38万ユーロに過ぎない。中古住宅の取引価格も低下傾向にあるものの、住宅購入の購買力が目減りする中で、取引が成立しにくい状況が生じている。
政府は融資の冷え込みの対策として、上限金利の改定を毎月実施する形に改めた。これは、欧州中銀(ECB)による利上げが相次ぐ中で、上限金利の改定の頻度を高めることで、銀行側が金利を引き上げて融資をしやすい環境を整えるのが目的だが、貸付金利の上昇はそれ自体、家計にとって打撃となる。その一方で当局機関は、収入対返済額の比率の上限を35%とし、25年以上の融資は行わないようにする方向で銀行側を指導しており、これは銀行側が融資を渋る要因になっている。

KSM News and Research