フランス情報メディアのET TOI(エトワ)

フランスと日本をつなぐ

1€=

新規登録

マクロン大統領、教会営繕の募金運動を開始

マクロン大統領は15日、ブルゴーニュ地方を訪問した機会に、小規模な教会の営繕費用を確保するため、募金運動を開始することを明らかにした。16日と17日に行われる「文化遺産の日」のイベントに先立って発表した。
フランスでは、大革命を経て教会施設が国有化されたこともあり、1905年の政教分離法が定められる前に建設された教会施設は公共部門に所有権がある。それ以降に建設された施設は宗教団体側に所有権があるという形になっている。このため10万ヵ所程度を数える宗教施設のうち、4万施設余りの所有権が市町村に帰属しており、その保守・営繕の費用も市町村が負担している。ちなみに、全国に154を数える大聖堂(カテドラル)については、87が国の所有で、残りの67のうち大部分は地元市町村の所有となっている。
マクロン大統領は、人口1万人未満の市町村による地元の教会の保守・営繕を支援する目的で、4年間に2億ユーロを募金で集める方針を発表。1000ユーロまでの募金について、募金額の75%までを所得税から控除することを認めて、国として拠出を後押しする。この75%という率は、パリのノートルダム寺院火災の義援金集めの際に適用されたのと同じ水準となる。
政府は全国の教会施設のうち2500-3000ヵ所について、工事費用の不足に直面している施設としてリストアップしており、まずこれらの施設が支援の対象となる。
今回の発表は、23日に予定されるローマ教皇フランシスコの訪仏を意識したものとも考えられる。マクロン大統領はフランシスコがマルセイユで挙行するミサに列席するが、これには政教分離の原則に反するとの批判の声もある。大統領はこの批判について、大統領として列席し、教皇からの祝福は受けないと反論している。

KSM News and Research