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ワイン生産量、イタリアが後退でフランスが再び世界一に

気候変動を背景に、ワイン生産量で世界一のイタリアは今年、フランスに抜かれて第2位に転落する見通し。天候不良の影響はフランスでも目立ったが、イタリアではさらに大きかった。
現時点での予想では、フランスのワイン生産量は2023年に4500万ヘクトリットルとなり、前年比で2%の減少を記録する見込み。これは平年並みの量だという。これに対して、イタリアの生産量は14%減の4300万ヘクトリットル以下になる見通しで、こちらは、2007年や2017年と同程度の不作になる。夏季の猛暑の影響に加えて、収穫期の降水日数が70-75%増となり、病害が広がったのが響いた。人気の発泡酒プロセッコは、糖分不足によるアルコール度数の低下と、労働力確保の困難に祟られた。地域別では、特に中部・南部での不作が目立ち、40-45%の減少を記録する産地もあった。政府は100万ユーロの緊急支援を決めている。
イタリアワインは国内の消費減退で苦境にあり、その事情はフランスでも似通っている。イタリアワインの在庫は4900万ヘクトリットル(60億本強に相当)に上り、1年分を超える在庫が積み上がっている。フランスでも、特に消費後退の打撃が大きいボルドーの一部の区画では減反が計画されており、過剰在庫を蒸留により転換・処分する取り組みも始まっている。

KSM News and Research