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フランスでも牛が流行性出血病ウイルスに感染

フランスでも流行性出血病ウイルス(EHDV)の感染が広がっている。このウイルスは吸血昆虫が媒介するもので、欧州では従来は感染が見られなかったが、2022年10月にスペインで牛への感染が確認され、それ以来でポルトガルとイタリアでも感染が確認されている。致死率は低いが、感染した牛には食欲減退や呼吸困難、跛行などの症状が出る。ワクチンはまだ開発されていない。このウイルスは人には感染しない。他の反芻動物にも感染する可能性があるが、フランスでは今のところ感染例は報告されていない。欧州で感染が拡大した理由としては、気温上昇により媒介する吸血昆虫の活動が従来よりも長く続くようになったことが考えられる。
フランスでは、スペインとの国境沿いに位置するピレネー・アトランティック県とオート・ピレネー県で感染が確認された。欧州連合(EU)の規定により、感染場所から半径150km以内の区域内から反芻動物を飼育目的で移動させることが禁止される(と畜目的では可能)。この規定により、全部で13県の一部又は全域にこの禁止措置が適用された。生きた牛のフランスからの輸入が多いアルジェリアでは、フランスからの輸入を禁止した。このほか、主な輸出先であるイタリアとスペインとの間では、既に感染地域であることもあり、輸出制限の弾力的な運用に向けて協議中だという。

KSM News and Research