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ベルギー消費者、フランスで越境ショッピング:価格差拡大が背景に

フランスで買い物をするベルギーの消費者が増えている。大きな価格差が生じているのが背景にある。
ベルギーの小売業団体Comeosによると、ベルギーの消費者がフランスで購入する食料品は年間に17億ユーロに上っており、これは2019年比で40%増に相当する。フランスとの国境沿いの地方に限ると、増加率は83%に上る。Comeosによると、ベルギー国民の4割近くがフランスをはじめとする外国で買い物をしている。価格差は大きく、同じ買い物でフランスの方が平均で9%安く、主要ブランドの製品に限るとその差は19%に達する。洗剤では27%、冷凍食品では34.7%、ペットフードでは32.8%、赤ワインでは21.4%といった格差も見受けられる。
フランスの小売業者の方が価格交渉力で勝っていることや、仏政府による基本的製品やエネルギー価格の抑制措置が価格差を生じさせる一因になっている。ただ、それだけではなく、例えばベルギーでは、レジ係の給与水準がフランスよりも2割高く、人件費の負担が大きい。税負担も大きく、Comeosによると、プラスチック課税で3億5000万ユーロ、容器包装課税で6000万ユーロの負担が小売業者に発生している。小売業者側はこのままでは立ち行かないと懸念を強めている。左翼勢力は食料品に係る付加価値税(VAT)を撤廃するよう要求している。

KSM News and Research