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刑事施設にドローン配達の被害

全国の刑事施設でドローンを利用した密売品の配達事件が増えている。去る9月末には、配達で暗躍する犯罪団がロワール・アトランティック県内で摘発され、4人が逮捕された。
実際の規模がどの程度であるのか明らかではないが、2023年にはこれまでで600件のドローン飛来の事案が発生。これは前年の28件と比べて大きく増えている。把捉されずにドローン配達が成功したケースも多いと想像されるため、被害の規模ははるかに大きいと考えられる。手口は、夜間にドローンを飛ばして、受取人が隙間などから手を出して回収するという単純なもので、配達品の重量は500グラム以下が主流という。密売品としては、携帯電話とSIMカードなどその関連品、そして大麻などの麻薬が多い。携帯電話を利用して、塀の中から麻薬配達を手配し、希少性を売り物にして市価の3倍から4倍で売り捌く収監者もいるという。9月末に摘発された配達団は、3兄弟を核に、ドローン操縦技術と刑務所の状況に関するノウハウを売り物として、複数の刑事施設を仕事場として手広く稼いでいたという。かつては、投擲物で届けるというやり方が多かったが、ドローン時代となってそちらは影を潜めているらしい。武器の搬入や爆発物による攻撃などに至った場合のリスクは大きいため、法務省はドローンの操縦の電波妨害による対策の準備を進めている。

KSM News and Research