フランス情報メディアのET TOI(エトワ)

フランスと日本をつなぐ

1€=

新規登録

CNIL、AI学習のデータ使用に関する指針案を公表

仏CNIL(個人情報保護機関)は11日、人工知能(AI)の学習用データベースの構築に関する指針案を公表した。欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)に照らして認められるデータの処理及び利用のあり方を規定する文書案として提示。11月16日までパブコメの募集を行う。
AIを育てるために膨大なデータが利用されるが、個人情報保護の兼ね合いで、どのような利用方法であればデータの使用が認められるのか明確化する必要が生じていた。CNILは指針案の中で、使用に当たっての条件を提示している。CNILはこの中で、アルゴリズムの学習段階において、将来的な用途の全体を開発者が予見して定義することはできないと認めた上で、開発されるシステムの種類と、予定される主要な諸機能についてはあらかじめ定義されていることを要すると指摘した。大量のデータの投入については、アルゴリズムの学習を最適化する形でデータを選別し、不要な個人情報の使用を回避することが必要だとした。公開されているデータの使用については、明らかに違法なやり方で収集されたものではなく、また、当初の収集と再利用の目的が合致している限りにおいて可能とした。データ保存の期間については、それが科学的及び金銭的に多大の投資がなされるなどの理由で正当化される限り、長期にわたることが認められるとした。
CNILはパブコメの結果を踏まえて、2024年初頭に最終的な指針を公表する。

KSM News and Research