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ムーディーズ、フランスの長期債務格付けを維持

格付け会社大手のムーディーズは20日、フランスの長期債務格付けをAa2のまま据え置くことを決めた。格付け見通しは「安定」とした。
格下げの懸念もあったがひとまずそれを回避できた。ルメール経済相はこの決定を歓迎。フランス国債の信頼性を物語るものだとコメントした。
長期金利は世界的にも上昇局面を迎えており、仏10年物長期金利も、2021年初頭以来で最高の3.5%台に乗った。政府は2023年末に3.4%と予測して予算を組んでおり、それを既に超えている。その分予算運営は苦しくなる。ドイツとの長期金利スプレッドも60ベーシスポイントまで拡大。数年来で最大になっており、これは市場がフランスの予算運営に懸念を抱き、債務管理が困難になるとする見方を強めていることを示唆している。ルメール経済相は、市場の信頼維持を目的に、2025年に120億ユーロの節減を実現する方針を表明。国会審議中の2024年予算法案においても、追加で10億ユーロの節減を達成するための調整を開始しているが、その実現は困難であるともみられている。大手格付け会社では、フィッチが27日に、S&Pが12月初頭にそれぞれ仏長期債務の格付け更新について発表することになっている。

KSM News and Research