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金利上昇で貯蓄商品に動きか

金利上昇に伴い、貯蓄商品の動向に変化が生じている。
代表的な貯蓄手段である生命保険では改善が遅れている。金利上昇に伴い、競合する貯蓄口座の利回りが上昇する中で、生保商品は利回りで劣っていることが影響している。9月の保険料純収入(解約分・支払い保険金控除後)は3億ユーロのマイナスを記録。3ヵ月連続での純流出を記録した。業界団体フランス・アシュルールでは、1-9月期でみると純収入が13億ユーロのプラスになっていることを強調。保険料収入は1-9月期では前年同期比で4%増加しており、定額・変額商品のいずれでも同程度の増加を記録しているとも説明している。
他方、低所得者向けの利息非課税の貯蓄口座LEPは普及が目立っており、8月末時点で保有者数が1010万人と、はじめて1000万人を超えた。LEPは利回りが6%と極めて高く、預金限度額も10月1日より7700ユーロから1万ユーロへ引き上げられた。年間所得額(課税請求書に記されている標準所得額)が2万1393ユーロ(2023年に適用の上限。2年前の所得額に基づいて判断する)を超えない場合(独身者の場合。家族状況に応じて上限額は変わるが、1世帯について世帯主とその配偶者の2人のみ開設可能)に開設できる。
このところ人気を博しているのが定期預金で、長らく忘れられていた感があった商品だが、金利上昇を背景に開設する人が増えている。8月時点で預金残高は4070億ユーロとなり、1年間で13%増を記録した。各行とも預金資金の獲得の柱として力を入れており、2年満期で4%程度の利回り(税引き前)を提供するところもある。

KSM News and Research