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暴風雨によりフランス国内で2人が死亡、停電は一時120万世帯

暴風雨「Ciaran(キアラン)」が11月2日にフランス北西部付近を通過した。2人が死亡、50人弱が負傷した。
エーヌ県で倒木の下敷きとなりトラック運転手1名が死亡。ルアーブル市(セーヌマリティム県)では、ベランダに出た70才の男性が風に吹き飛ばされて転落死した。負傷者には9人の消防隊員(いずれも軽傷)が含まれ、ルーベー市(ノール県)とボヌイユ市(バルドワーズ県)で2人の重傷者を出した。
低気圧は大西洋より到来してフランスの北西部付近を通過。最西端に位置するフィニステール県(ブルターニュ地方)では時速207kmという過去最大級の風速が観測された。それでも、1999年12月にフランスの北半分を襲った2つの暴風雨では92人が死亡しており、今回の人的被害は小さかった。過去教訓が反映され、対応が適切だったことが被害を少なくすることに貢献したと考えられる。
物的被害は甚大で、数千本の倒木が発生、家屋や自動車などに被害が出た。フィニステール県では、2日午後まで県内の道路を通行止めとして、倒木等の撤去に追われた。国鉄SNCFは、2日に前後して5地域圏(ブルターニュ、ノルマンディ、サントル・バルドロワール、ペイドラロワール、オードフランス)でローカル線(TER)の列車を全面運休としたが、数十地点でインフラに被害が出た。3日時点で、オードフランス地域圏での運行再開が遅れている。特に被害が大きかったのは電力網で、被害がピークを迎えた2日朝時点では120万世帯が停電となった。エネディス(配電網管理)によると、ブルターニュとノルマンディでは、1999年の暴風雨の際と比べて、停電の被害を受けた人が最大で3倍多かったという。エネディスでは、災害時の対策プランに従い、3000人を動員して迅速な復旧を心掛けたと強調している。
保険加入者で被害を受けた人は推定で23万から27万に上る。保険会社側は保険事故申告の期限を12月1日まで延長して被災者をサポートすることを決めている。

KSM News and Research