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貯蓄口座リブレA等の資金、防衛産業にも融資へ

7日に下院で採択された2024年予算法案の一部に、利息非課税の貯蓄口座(リブレA及びLDDS)の資金を防衛産業に充当する旨を定めた条項が盛り込まれた。軍隊省はこれを歓迎しているが、経済省には一部に慎重論がある。
リブレAとLDDSはいずれも利息非課税の貯蓄口座で、その資金の60%は、政府系金融機関のCDC(預金供託金庫)を通じて運用されており、残る40%が取扱銀行の手元に残され、各自運用がなされている。リブレAの場合は、CDCを通じて、公団住宅の整備事業を中心にした融資に回されている。世界情勢の不透明感が強まる中で、防衛産業の振興を図り、国防を固めるべきだという議論があり、リブレA資金等の活用を求める議員らが修正案を提出。政府もこれを支持し、修正案を追加した形で、いわゆる「49.3」(投票を経ずに法案の採択を強行することを可能にする憲法上の措置)を発動して採択を決めた。
採択された条項は、中小企業を中心とする防衛産業の企業への資金供給にリブレA等の資金を活用できる旨を定めている。これに回される資金は、CDCの運用分ではなく、取扱銀行の運用分から捻出される。銀行は融資先の選定において自由度が認められているため、新たな条項は、単に、可能性を明文化しただけに過ぎないという見方もある。実際に防衛産業への融資拡大につながるかどうかは、銀行側の出方次第になる。

KSM News and Research