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駅舎に遠隔診療スペース、医療砂漠対策で

仏国鉄SNCFは17日、医療砂漠地帯に位置する駅舎に遠隔診療スペースを設置する計画を発表した。2028年までに300駅程度に設置する計画という。
計画はSNCFの一部門で、駅舎等の管理・活用に当たるリテール&コネクションが推進する。遠隔医療で実績があるLoxamed社との提携事業として行う。具体的には、政府が医療砂漠対策の重点地域に指定する地域内の1735の駅舎から、300程度を選んで整備を進める。遠隔診療スペースには必ず看護師を常駐させて、本格的な医療を提供できるように配慮する。受け入れ側の自治体の承認を得て、遠隔聴診器等の配備を行い、看護師が操作を行うことで、精度の高い診察を可能にする。遠隔診療に携わる医師は、フランス国内で養成された医師のみに限定されるという。
具体的な立地は当局等との協議の上で決定する。SNCFによると、全国の駅舎の利用者は1日につき1000万人に上り、国民の9割は駅から10km以内の場所に居住している。SNCFは、駅舎を国土整備に役立てることが会社の使命でもあると説明。その一方で、医療ユーザー団体のフランス・アソ・サンテは、遠隔診察に対応する医師はその分、実際の診察ができなくなるわけで、医師不足を解消する手段にはなりえない、とコメントしている。

KSM News and Research