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「ガストン・ラガッフ」の新作が刊行に

往年の人気BD(フランス語の漫画)、「ガストン・ラガッフ」シリーズの最新刊が22日に発売された。1997年に作者のアンドレ・フランカンが死去して以来で初めての刊行となる。
ガストン・ラガッフは1957年にBD雑誌「スピルー」に初めて掲載された。怠け者でうっかりした夢見がちな青年が失敗を繰り返すストーリーのこの作品は人気を博し、1996年までに全21巻が販売され、世界で3000万部以上が売れた。
最新作「帰ってきたラガッフ(Le retour de Lagaffe)」は、実績のあるカナダ・ケベック州のBD作家マルク・ドラフォンテーヌ(通称ドラフ)が制作を請け負った。BD出版大手のデュピュイ(メディア・パルティシパシオン傘下)は初版80万部を用意。これは、当初予定の120万部よりも少ないが、例えばフランスの最大の文学賞であるゴンクール賞の受賞作が50万部程度の売り上げであることを考えると、破格の力の入れようであることがわかる。この最新作は2022年3月に予告されたが、フランカンの相続人である実娘が出版に反対して訴訟を起こしたことから、発売が延期されていた。仲裁裁判で相続人側の訴えが退けられ、今回の発売に至った。デュピュイでは、新作発表による話題作りで既刊の売れ行きに弾みがつくことに期待している。

KSM News and Research