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フランスで極右グループによる暴動、未成年者の刺殺事件を受けて発生

ドローム県ロマンシュルイゼール市で25日夜、極右グループによる暴動が発生した。80人程度が全国から結集し、警官隊と衝突するなどした。20人が逮捕され、17人の勾留継続が決定。また、暴動に加わった20才の男性1人が、他の若者グループから暴行を受けて負傷した。
この暴動は、同市近郊で数日前に発生した未成年者の刺殺事件に端を発している。クレポル村の公民館で開かれたパーティーの機会に事件は発生。ロマンシュルイゼール市に住む若者らが容疑者として逮捕されたが、実行犯がアラブ系の名前であることが報じられたのを受けて、極右勢力が今回の暴動を企てた。参加者らは、「トマ(刺殺された未成年者の名前)のために裁きを」、「イスラムを追い出せ」などと叫んで、容疑者のグループが居住していた地区で示威行動を展開した。
刺殺事件の詳細はまだ判明していないが、不良少年団が大挙して襲撃に来たというよりは、パーティーに参加した若者たちの間で喧嘩になり、殺傷沙汰に発展したというのが真相らしい。その限りで不幸だが「平凡な事件」であるのだが、近年はマスコミなどでも極右の論客らがメインストリームで活躍しており、こうした事件を材料に憎悪を焚きつけるような風潮がある。SMSを通じた増幅効果で過激なグループが結集して行動を起こしやすい状況もある。アイルランドのダブリンで23日に発生した暴動事件とも共通性があり、極右思想の浸透が欧州全体で広がっていることを示唆している。

KSM News and Research