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デュポンモレティ法相、共和国法廷で無罪判決

デュポンモレティ法相を被告人とする裁判で、共和国法廷(CJR)は29日、被告人に無罪を言い渡した。被告人に法相の立場を乱用する意図はなかったと認定した。

デュポンモレティ法相は弁護士出身で、2020年夏にマクロン大統領により法相に抜擢された。法相は就任後、弁護士時代に遺恨があった検察官4人を対象に、懲罰決定に至る可能性がある内部調査の開始を決定していたが、これについて、検察官組合が、職権を乱用した不当な決定であるとして提訴していた。

共和国法廷(CJR)は、閣僚が職務遂行に絡んで犯した犯罪を裁く特別法廷で、裁判官は、12人の国会議員(上下院から6人ずつ)と最高裁裁判官3人の合計15人で構成されている。共和国法廷は、法相が調査を決定したことについて、利益相反の状態にあったことを認めたが、法相がそれにより自らの復讐を企画したという意図の発現はなく、そのような意図があったと認めるに足る証拠がないとの理由を挙げて、被告人に無罪判決を言い渡した。

無罪判決により法相は辞任を回避し、マクロン政権も不安要因を一つ取り除くことができた。共和国法廷は、その構成から不偏不党とはいえないという批判の声があり、マクロン大統領も以前から廃止を希望していたが果たせずにここまで来たという経緯がある。その共和国法廷に今度は救われた格好になったが、野党勢力からは共和国法廷の改革を求める声が再び上がっている。

KSM News and Research