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政府、極右小グループ「ディビジョン・マルテル」に解散命令

ダルマナン内相は6日、極右の小グループ「ディビジョン・マルテル」(マルテル部隊)の解散命令を閣議に提示した。危険な団体として解散を命じる。

ディビジョン・マルテルは、カトリック原理主義・アイデンティティ系の極右グループで、イスラム教徒によりフランスのもとからの住民が一掃されるという危機感を抱き、武力による対抗を訴える過激勢力に属する。もとからのフランス民族の防衛という主張は、極右勢力のうち、ゼムール氏の「ルコンケット(失地回復)」に近い。先に、ドローム県クレポル村で喧嘩騒ぎの末に未成年者が刺殺された事件では、これを、外国から来た勢力がフランス人を差別して仕掛けた暴力だと断じる極右勢力の言説に呼応して、容疑者らが居住する地区で極右勢力によるデモが行われたが、ディビジョン・マルテルはこのデモの中核を担っていた。特に、このグループの構成員は、容疑者らの氏名や住所などの情報を入手しており、デモではなく、私刑を加えるために集結していた疑いが浮上している。

ディビジョン・マルテルは、ルーアン市に住むリーダーの下に結成され、パリ地方を中心に活動している。2022年に解散された「ズアーブ・パリ」の流れをくむグループとして知られる。その構成員は、催涙スプレーやこん棒などで武装し、極左活動家や移民系の人を狙った暴力事件を数回起こしている。

当局は、マクロン大統領が就任した2017年以来で、34団体の解散命令を下しているが、うち14が極右系のグループとなっている。解散命令が出るにつれて、小さなグループに細分化し、監視がかえって難しくなるという指摘もある。

KSM News and Research