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ダティ文化相就任で揺れるパリ政界

アタル新内閣にダティ氏が文化相として入閣した件が、地元のパリ市の政界を揺るがせている。2026年の次期パリ市議会選挙の行方を大きく左右する可能性がある。

ダティ氏はパリ7区の区長として、保守野党「共和党」のパリ市議会におけるリーダーを務めていた。イダルゴ市長(社会党)のライバルとして、厳しい市政批判を展開してきた。イダルゴ市長はダティ氏について、「罵倒と侮辱と恒常的な挑発」を市議会に持ち込んだと評しているが、論敵による評であることを割引しても、これがダティ氏の人となりの通常の評価であることは大方が認めるところだろう。ダティ氏が文化相就任を引き受けたのは、マクロン大統領から、2026年のパリ市議会選挙において大統領のルネサンス党と共和党の選挙協力を実現し、ダティ氏を市長候補に据えるとの約束を得たためだとの噂も流れている。共和党のシオティ党首は、ダティ氏の除名手続きを開始すると予告したが、パリ市議会の共和党は、ダティ氏の支持派と敵対派、そして様子見の勢力の3つに分裂しており荒れ模様となっている。与党内にもダティ氏を担げないと考える勢力があり、この人選が正解であるかどうかの見極めはまだ難しい。

KSM News and Research