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CNIL、アマゾンに3200万ユーロの罰金処分

仏CNIL(個人情報保護機関)は23日、アマゾンに対して3200万ユーロの罰金処分を決定したことを明らかにした。物流拠点において従業員対象の過剰な監視体制を敷いていたと認定した。

CNILは4年前に提訴を受けて調査を開始し、去る12月に処分を決定した。処分の対象は、フランスでアマゾンの物流を担当する子会社のアマゾン・フランス・ロジスティックで、物流拠点内に導入していた監視体制が、個人情報保護の法令に違反すると判定された。会社側は、従業員の各人について、荷物のバーコード読み取りのデータを収集し、2回の読み取りの間の最大時間を設定して従業員の能率を監視。また、10分以上の読み取りのない時間も把握して、実労働時間をほぼリアルタイムで追跡する体制を整えていた。データ保存の期間も法定上限の31日間を超えていた。CNILは、個人情報を侵害する手段により従業員に不当な圧力を加えていたと認定。アマゾンがこの方法により得た利益と被害を受けた従業員数(数千人)などを踏まえて罰金額を決めた。この罰金額は、アマゾン・フランス・ロジスティックの年商の約3%に相当する。アマゾン側は是正を約束したが、CNILは、是正がまだ実行されていないことを理由に、罰金額の減額には応じなかった。

アマゾン側は、CNILが事実誤認に基づいて決定を下したと遺憾の念を表明。異議申し立てを行う可能性を示唆した。アマゾンは2ヵ月以内に行政最高裁(コンセイユデタ)に上訴できる。

KSM News and Research