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ユーロ偽札がわずかに増加

欧州中銀(ECB)が29日に発表した集計によると、2023年に押収されたユーロ偽札は46万7000枚となり、前年比で24%増加した。市中に流通する紙幣の数は12月末時点で298億枚となっており、押収偽札が占める割合は、100万枚につき16枚とわずかではあるが、前年の13枚に比べて増加している。偽札の押収量は、2021年に34万7000枚と過去最低の水準まで下がっていたが、この2年間では反転して増加傾向が続いている。偽札では、20ユーロ札と50ユーロ札が圧倒的に多く、押収偽札の7割強を占めた。
欧州中銀は2013年から2019年にかけて、紙幣のデザインを刷新し、偽造防止の工夫も増やした。資金洗浄に利用されているとの判断から、500ユーロ札の発行は2018年末で打ち切られ、現在は5ユーロから200ユーロまで6種の紙幣が発行されている。当局によると、偽札の流通においてはインターネットが果たす役割が大きく、メッセンジャーソフトやSNS経由で偽札が売買されることが多い。また、フランスに出回る偽札の多くが「イタリア製」であるといい、主にナポリ地方の犯罪団がこの分野で暗躍しているという。

KSM News and Research