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欧州連合(EU)加盟国、人工知能法の制定巡り合意

欧州連合(EU)加盟国の大使級会合は2日、人工知能法(AIアクト)を巡る妥協案で合意した。フランスは修正を求めて働きかけていたが、実らなかった。

人工知能法は、人工知能の開発について規制の枠組みを定めることを目的とするもので、世界でも初めての法制化となる。その制定を巡っては、厳しすぎる規制を導入すると、米中などとの競争において不利になるとする意見があり、国内のAI開発の推進を目指すフランスは、その修正を求めて画策していた。ただ、主要国の賛同は得られず、フランスは部分的な修正を得たことを土産として引き下がることを決めた。

具体的には、人工知能法においては、一定以上の性能を持つAIの基盤モデルを「システミック」に分類し、より厳しい規制を適用することになっているが、フランスは分類の最低限を引き上げることを求めていた。妥協案でこの要求は認められなかったが、代わりに、毎年状況を検討して、最低限を見直す可能性が盛り込まれた。

著作権保護を目的に、AIモデルを育てるためのデータの概要開示の義務も人工知能法で導入されることになっている。フランス政府は、AI開発業者の「職業上の秘密」を考慮するよう求めて働きかけていたが、この点ではフランス側の働きかけは実らなかった。

人工知能法案は今後、欧州議会の承認を得て正式に成立する見通し。6月の欧州議会選挙前の成立を目指す。

KSM News and Research