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仏貿易赤字、2023年に大きく改善:それでも大幅赤字は変わらず

7日発表の税関統計によると、2023年通年の貿易赤字は996億ユーロとなった。過去最大を記録した前年の1627億ユーロと比べると630億ユーロの大幅な改善を記録した。エネルギー価格の高騰が一段落したことで、貿易赤字も改善した。2023年の輸出額は6073億ユーロで、前年の5981億ユーロからわずかに増加。同輸入額は7069億ユーロとなり、エネルギー価格の低下により、前年の7608億ユーロから目立って低下した。

ただ、コロナ危機前の2019年には、貿易赤字は586億ユーロとなっており、それに比べると現在の貿易赤字は極めて大きな額に上っている。エネルギー貿易赤字は2023年に690億ユーロとなり、2019年の450億ユーロに比べてはるかに大きく、これが貿易赤字を押し上げる最大の要因になっている。自動車の貿易赤字も、2019年の160億ユーロに比べて、2023年には238億ユーロへ拡大。EVの輸入依存が拡大していることが響いていると考えられる。情報処理・電子製品の貿易赤字も、同じ期間に170億ユーロから200億ユーロへ拡大。食品部門の貿易黒字は20億ユーロの縮小を記録した。また、コロナ危機を経て医薬品の輸入が増大したことから、同部門の貿易黒字はほぼゼロとなった。反面、航空機の貿易黒字は2019年以来で10億ユーロ程度増えて308億ユーロに達した。高級ブランド部門も輸出の柱になっており、香水・化粧品は164億ユーロ、皮革製品は46億ユーロの貿易黒字をそれぞれ確保した。

KSM News and Research