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大西洋岸で海鳥が大量死、悪天候が原因か

大西洋岸で海鳥が大量死するケースが報告されている。悪天候が続いたことが原因とみられている。

当局機関OFBの集計によると、年頭以来で400羽を超える海鳥が、ブルターニュ地方からスペインとの国境までの大西洋岸にて死体で発見された。うち150羽が2月末に集中している。特に、ウミガラスで被害が多く、各種のカモメの被害も報告されている。

検査の結果、鳥インフル等の感染症の被害ではないことが判明しており、死には至らずに保護された個体も含めて、衰弱が激しいことが確認されている。通常なら体重が900グラム程度であるのに、600グラム程度まで痩せており、解剖では消化器内が空であることから、捕食ができずに死んだ可能性が高い。このような衰弱死は悪天候の際に増えることが知られている。正確なシナリオは不明な点も多いが、悪天候時には、通常よりも体力を酷使し、カロリーの消費が著しいのに、その一方で、餌となる魚などが悪天候の影響で少なくなり、衰弱が進むのだという。このところは暴風雨がかなり頻繁に続いたことで、影響が増幅された可能性がある。こうした大量死は過去にも発生の例があり、例外的とは言えないが、気候変動に伴う影響で頻度や規模が拡大する可能性もあり、識者らは警戒が必要だとみている。

KSM News and Research