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ルメール経済相、2023年の財政赤字の膨張(対GDP比4.9%超)を予告

ルモンド紙は6日付でルメール経済相のインタビューを掲載した。経済相はこの中で、100億ユーロの節減を先に決めたことについて、緊縮というにはほど遠く、景気の腰を折る懸念はないと説明。公的支出が対GDP比で58%に相当する4960億ユーロに上ることを挙げて、100億ユーロという節減規模は、健全な財政運営を目指す適正なものだと強調した。経済相はその上で、税収が減少しており、2023年の財政赤字の対GDP比は当初予定の4.9%を明確に上回ることになると予告。その意味でも適正な節減を実施することは不可欠だと説明した。100億ユーロの節減は第1段階で、次いで必要ならば第2段としてこの夏に補正予算法案を提出すると説明。第3段として、2025年予算法案には120億ユーロ以上の節減を盛り込むと予告した。なお、カズナーブ予算担当相やルメール経済相は、6日の国会聴聞では、2025年予算法案における節減規模を200億ユーロ以上と言明した。

経済相はそれとの関係で、構造改革を進める必要性を強調。アタル首相が予告した失業保険制度の改革を支持し、現在は労使共同運営が建前の失業保険を国の責任下に置いて調整を図るべきだとの考えを示した。行政手続きの簡素化については、行政手続きの各種書式を2030年までに全廃すると言明。現在は1800種(うち1200種は企業が対象)があるが、2026年までに8割の書式について、所得申告のように当局により記入済みのものに改めて手続きの簡素化を図り、その後に書式そのものを廃止するとした。また、全7000条と肥大化した商法典の抜本的な見直しを図り、2027年までにボリュームを半分に減らすと約束した。財政収支については、現政権が任期満了を迎える2027年時点で、対GDP比3%以内を達成し、次いで2032年に赤字解消を目指す考えを示した。収支改善は増税によらずに実現するとし、中産階級向けの減税の公約と、法人向けのいわゆる「生産に係る税」の減税の実現にも意欲を再確認した。

KSM News and Research