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フランス政府、テロ警戒水準を引き上げ

ロシア・モスクワでのテロ事件を受けて、フランス政府は25日より、国内のテロ警戒警報の水準を最大の「テロ緊急警戒」に引き上げた。テロ警戒作戦「サンティネル」に参加する軍人の数を7000人に増員し(従来の3000人に4000人を追加)、駅や学校、宗教施設等の警戒を強化、パトロールも増やした。

テロ警戒警報は3段階からなり、3ヵ月前に中間段階へと引き下げられていたが、それを最高段階へと戻した。テロの脅威はフランスを含み世界的に高まる傾向にあり、年頭来では国内で2件のテロ計画が未然に摘発されている。今回のロシアの事件に犯行声明を出した「イスラム国ホラサン州」(ISIS-K)はアフガニスタンに本拠を置き、タリバン政権を狙ったテロを展開するグループだが、歴史的な理由からロシアも標的としている。諸外国を狙って工作員を送り込むタイプのテロ計画ということでは、この1年半程度で、ドイツ、ベルギー、オランダなどで逮捕者が出ており、フランスでも去る11月に国内で逮捕のチェチェン系ロシア人とタジキスタン人は「イスラム国ホラサン州」との関係が疑われている。去る12月にパリのエッフェル塔近くで1人を殺害のテロ事件を起こした犯人の男は、「イスラム国ホラサン州」への忠誠を誓う声明を発表していた。ただ、フランス国内における最大の脅威は、国内で過激化した分子の存在にあり、これが外国からの影響に触発されて犯行に及ぶリスクが大きい。中東情勢も犯行に及ぶ引き金となりうる。

KSM News and Research