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政府、セイル搭載のハイブリッド船舶の振興策を準備

アトランティック造船所で27日、セイルとLNGの二元動力のクルーズ船の起工式が行われた。ベルビル海洋閣外相とレスキュール産業担当相が列席した。両相はこの機会に、セイルを搭載する次世代帆船の振興策を公表した。
起工式が行われたのは、ホテル大手アコーが発注した「オリエントエクスプレス・サイレンシーズ」で、「オリエントエクスプレス」のブランド名を用いて、環境配慮型の豪華クルーズのサービスを展開する計画。全長220メートル、3本のマストに各2枚のセイルを配する。1本当たりで1500平方メートルのセイルを展開し、推進力を得る。風力が不十分な状況ではLNG燃料で稼働。将来的にはグリーン水素燃料に転換する。最大乗客数は120人で、客室は平均で70平方メートル。設計は2018年以降にアトランティック造船所において準備され、アコーが採用を決めた。2026年3月の進水を予定。アコーは2隻を発注しており、2027年には同型船が進水する予定。
仏政府は同日、将来的にセイル搭載のハイブリッド推進船舶の世界市場シェア30%をフランスが獲得することを目指す支援プランを公表。この分野で仏政府は2022年にも100万ユーロ近くの支援を行ったが、今後は公的資金5億ユーロ、民間資金10億ユーロを集めて投資スキームを作り、さらに民間投資を呼び込む方針。民間資金では、海運大手CMA CGMのロドルフ・サーデCEOが2億ユーロの拠出を約束。残りは金融機関や機関投資家から様々な形で確保する予定という。
KSM News and Research