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家畜福祉を評価のラベル表示制度、仏当局機関が導入を勧告

ANSES(仏食品環境労働衛生安全庁)は2日に発表した報告書の中で、家畜福祉を評価した食品包装前面表示制度の導入を勧告した。栄養表示のニュトリスコア(Nutri-Score)に倣って、家畜福祉の状況を5段階評価にて分類し、ラベル表示を行う制度の導入を提案した。

ニュトリスコアは2017年に任意制度として導入され、栄養面から5段階(Aが最良、Eが最低)に製品を分類し、包装前面に色分けしてわかりやすく表示するという趣旨。ANSESは、これに倣って、家畜福祉が法定最低限の製品をEとし、最良の製品をAとして分類表示することを提案した。飼育や飼料、健康状態、繁殖、輸送、と畜の各段階における配慮の状況を基準とし、屋外へのアクセスや生活条件といった側面を特に重視する。消費者が家畜福祉の観点から製品を選択できるようになり、需要面から改善に向けたインセンティブが働くことが期待できる。ANSESは特に、欧州連合(EU)全域で共通のラベリング制度が導入されることが望まれると指摘した。

ANSESは報告書の中で、業界単位などで設けられている既存の家畜福祉ラベリング制度について、仕様書があいまいで消費者に混乱を招く恐れがあると問題視。その一方で、新制度の導入費用については業者側が負担すべきだとしたが、費用の推計等については示さなかった。

KSM News and Research