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極右RNの首相候補、ジョルダン・バルデラってどんな人?

極右RNは、総選挙で勝利した場合に、ジョルダン・バルデラ党首を首相とする方針を明らかにしている。

RNは、国民戦線(FN)時代から変わらずに、ルペン一族の支配下にある。先代のジャンマリー・ルペン氏の実娘であるマリーヌ・ルペン氏は、直近2回の大統領選挙で決選投票まで進み、前回総選挙には自ら出馬し、解散前の下院ではRN議員団の団長を務めた。ルペン氏は、2021年の時点で、翌年の大統領選挙への出馬をにらんで党首職から退き、代行としてバルデラ副党首を任命。バルデラ氏は2022年の党首選で正式に就任し、今日に至っている。

バルデラ氏は28才と若く、「普通の政党」となることを目指すルペン氏の戦略において、若年層にアピールする切り札として起用された。バルデラ氏は移民が多いパリ北郊セーヌサンドニ県で生まれ、イスラム主義の台頭や麻薬取引の横行への対策を最優先課題に掲げて、「本場」で育った自らの経験をアピールポイントとしている。

16才の時にFNに入党、青年部の代表などを務めた。高校卒業後はパリ大学に入学したが、政治活動に専念するため中退した。その後、2015年の地域圏議会選挙でイルドフランス地域圏(パリ首都圏)議員に初当選。2017年には党の副党首となり、2019年には欧州議会選挙にRNの筆頭候補として立候補。RNはこの選挙でマクロン大統領派を抑えてトップとなり(得票率23.3%)、23才で欧州議員となった。バルデラ氏はTikTokのアカウントを通じた動画の配信を通じて、若い世代を中心に食い込んでおり、外見に特に気を使い、肉体を鍛錬して「強さ」をアピールするなど、メディア戦略にも長けている。2020年以来はルペン氏の姪と婚姻関係にあり、ルペン一族の一員でもある。

KSM News and Research