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失業手当給付額、7月1日付で1.2%引き上げ:制度改正の行方は?

労使共同運営が建前のUNEDIC(失業保険管理機関)は27日、7月1日付で失業手当の給付額を1.2%引き上げると発表した。200万人程度の受給者が対象となる。なお、直近5年間の改定幅は年平均で1.68%となっており、2023年には、7月1日付の年次改定(1.9%)に加えて、インフレ高進に配慮して1.9%の引き上げが4月1日にも実施されていた。労組のうちCGTは、インフレ率を考えるとこの改定では低すぎると批判した。

その一方で、政府は失業手当の制度改正に関する政令を近く公示する予定。政府が決めた一連の改正を盛り込む内容だが、現行制度は6月末日で期限切れを迎えることになっており、政令が公示されないと、失業保険の業務遂行の法的基盤が失われて、支給が継続できなくなるような事態も考えられる。失業手当の制度改正は、受給条件の厳格化、雇用市場が良好な場合の支給額の引き下げ、失業者の起業向け支援措置に関する検査の強化といった不人気な措置が盛り込まれているため、30日に行われる総選挙第1回投票を前にした微妙な時期につき、政府が政令公示を見送る可能性も高い。その場合には、現行制度の延長を政令により決めない限り、失業保険制度の正常な運営は継続できなくなる。

KSM News and Research