アイルランド籍の格安航空ライアンエアーはこのほど、フランス国内の事業を縮小する可能性を示唆した。政府が計画する航空券課税強化が実行されるなら、仏国内の乗り入れを減らすと警告した。
ライアンエアーは、2025年年頭より最大でフランス発着便を50%減らす方針を示した。同社は現在、国内の22空港に乗り入れているが、うち10程度で乗り入れが廃止される可能性がある。ライアンエアーはどの空港が対象となるかは明らかにしていない。
ライアンエアーはフランスでは1500万人強の旅客を年間に輸送しており、エールフランスとイージージェットに次ぐ第3位。ただ、一部の地方空港では唯一の運航航空会社となっており、撤退を決めた場合の影響は大きい。ライアンエアーは最近では、去る5月に、空港使用料の引き上げに反対し、ボルドー空港からの撤退を決めており、今回の事業縮小の予告を実行に移す可能性は十分にある。
政府が決めた航空券課税の強化では、短中距離便の場合で、現行2.63ユーロが9.50ユーロへと3倍強に引き上げられることになっている。ライアンエアーは、フランスにおいては航空券への各種課税の水準が近隣諸国に比べて既に極めて高いと主張し、課税強化に反対している。