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パリ市、不動産取引税の税率引き上げ決める

パリ市議会は2月11日、不動産取引税(DMTO)の税率を4.5%から5%へ引き上げることを決めた。先に成立した2025年予算法に盛り込まれた規定を利用して引き上げる。

不動産取引税は俗に「公証人費用」と呼ばれる。予算法は、自治体に合計22億ユーロ程度の節減努力を求める見返りとして、不動産取引税の県による課税分について、最高税率を4.5%から5%へ引き上げることを認めていた。パリ市は、市であると同時に県としての地位を兼ね備えており、不動産取引税は主要な財源でもある。他の県に先駆けて、税率の引き上げを決めた。

予算法においては、不動産取引税の税率上限は、2025年4月1日から2028年3月31日までの時限措置(その間に締結された取引に課税)として、5%に設定された。ただし、初めて住宅を購入する人については、上限の引き上げは適用されない。パリ市は、4月1日までに予算法が公示・施行されることを条件として、今回の引き上げを決定。これにより数千万ユーロの税収確保を見込むが、パリ市の側では、この税収確保では、自治体に求められた負担分を補うには不十分だと主張している。これに対して、同市の野党勢力(市長就任を狙うダティ文化相が率いる)は、財政収支の悪化を招いた社会党政権による安易な増税だと攻撃している。

パリ市の不動産取引税の税収は、2022年に17億5000万ユーロ弱の記録を更新した後、不動産取引の冷え込みを背景に、2023年から2024年にかけて大幅に後退し、2024年には12億ユーロ程度にまで減少していた。

KSM News and Research